店舗内装工事の引き渡し前、竣工検査で本部・担当者が確認しておくべきチェック項目を整理します。
店舗内装工事が完了したとき、工事会社から「工事が完成しました、検査をお願いします」という連絡が来ます。このとき、本部の担当者が何をチェックするかによって、引き渡し後の不具合対応が大きく変わります。竣工検査は、単に「工事が終わった」ことを確認するのではなく、工事内容が契約通りに実施されたか、品質が基準を満たしているか、を詳しく検証する重要なプロセスです。
竣工検査の目的と実施時期
竣工検査とは、工事が計画通りに完了し、契約で定めた品質・仕様に達しているか確認するプロセスです。この検査に合格して初めて「工事完了」となり、工事代金の最終支払いが実行されます。
竣工検査は、工事会社が「工事完了」と宣言してから、本部側が確認するまでの間に実施します。通常、工事会社が「施工完了報告書」を提出した時点で、その日から数日以内に実施することが一般的です。
ただし、複数の店舗工事が同時期に完了する場合、竣工検査の実施に時間がかかることもあります。契約時に「竣工検査は完了報告から◯日以内に実施する」という期限を定めておくことで、工事会社側も検査の時期を予測でき、準備が進めやすくなります。
竣工検査に必要な資料・道具の準備
竣工検査を効率よく進めるには、事前準備が大切です。
契約書と仕様書の確認 — 契約当初に取り交わした契約書と、そこに添付された仕様書(どのような工事をどこまで実施するのか定めたもの)を手元に用意します。これが「チェック項目の基準」になります。
見積書と工事内容の対照 — 見積書に計上された各工事項目が、実際に施工されているか確認するために、見積書も用意します。特に「色・材質・部材の品番」が明記されている場合は、その内容と現場が一致しているか確認します。
検査チェックリスト — 毎回同じ項目を確認するため、チェックリストを用意しておくと効率的です。複数の店舗工事を管理する場合は、標準化されたチェックリストを全店で使用することで、品質判定の統一が図れます。
測定道具 — メジャー、レベル(傾き確認用)、照度計(照明の明るさ確認用)など、簡単な測定が必要な場合もあります。
撮影機材 — 竣工検査時に、工事完了箇所を写真で記録することで、後々トラブルが生じたとき、その時点での状態を確認できます。スマートフォンのカメラで十分です。
竣工検査で確認すべき共通項目
工事内容にかかわらず、すべての竣工検査で確認すべき共通項目があります。
見た目の仕上がり — 壁・床・天井のクロス張りや塗装が、むらなく、きれいに施工されているか。特にクロスの継ぎ目や角部分、塗装の塗りムラがないか、目視で確認します。
寸法・配置 — 建具(ドア・窓)の位置がプランと一致しているか。棚や造作壁の位置・高さが図面と合致しているか。メジャーで測って確認することが大切です。
取り付け金具の緩みやずれ — 照明器具・エアコン・棚などの金具が、しっかり固定されているか。揺らして確認し、ぐらついていないか確認します。
扉・引き戸の開閉 — すべての建具がスムーズに開閉するか。ドアが擦れる・引き戸が重い、といった不具合がないか試してみます。
照明の点灯・消灯 — すべての照明が点くか。調光機能がある場合は、その動作が正常か。電源・スイッチの配置が使いやすいか。
コンセント・スイッチの位置 — 見積りや設計図と一致しているか。実際に立ってみて「ここにコンセントが必要だったのに、別の位置に付いている」といった誤りがないか。
クリーニング — 工事後のゴミ・塵埃がきれいに清掃されているか。窓・ガラス・床に工事時の汚れが残っていないか。
工事内容別の竣工検査ポイント
工事の内容によって、確認すべき項目が変わります。
床工事 — タイル・クッションフロア・複合フローリングなど、選定した材質が使われているか。床が平坦か、段差や浮きがないか。接地面で「うっすら隙間がある」といった不具合がないか、ゆっくり歩いて確認します。
壁工事 — クロスの張り具合が均一か、浮きやたるみがないか。壁の角部分で、クロスがきっちり納まっているか。塗装の場合、塗りムラがないか、下地が透けていないか。
天井工事 — 天井がきれいに張られているか、浮きやたるみがないか。照明器具・スプリンクラー・警報器などが適切に取り付けられているか。天井裏を見て、配線・配管がきちんと納まっているか確認できれば、より詳しい確認ができます。
建具工事 — ドアの開閉がスムーズか、引き戸の動きがスムーズか。ドア枠が壁にきっちり納まっているか。ドアの隙間が均一か。ロック・把手がしっかり動くか。
造作工事 — カウンター・棚・パーティションなど、固定されているか。接地面に隙間がないか。寸法が図面通りか。
給排水設備 — 蛇口から水が出るか。排水がきちんと流れるか。配管の接続部から水漏れがないか。シンク周辺の配管が見えている場合は、接続状況を目視確認します。
電気設備 — すべてのコンセント・スイッチが正常に機能するか。照明の明るさが十分か、暗すぎないか。分電盤に表示ラベルが正しく貼られているか。
空調設備 — エアコンの室内機・室外機が適切に設置されているか。冷房・暖房が正常に動作するか。配管の接続が確実か、隙間から冷媒が漏れていないか。
消防設備 — スプリンクラー・警報器が規定の位置に設置されているか。消火器が配備されているか。設置位置のプレート・標識があるか。
不具合を見つけたときの対応
竣工検査で不具合を発見した場合、その場で工事会社と協議します。
軽微な不具合の場合 — すぐに修補できる場合は、その場で対応してもらう。たとえば、クロスの浮きが見つかった場合、その箇所を貼り直してもらいます。
修補に時間がかかる場合 — 複数の箇所に不具合がある、修補に専門技術が必要な場合は、「是正工事」として日程を決めて対応してもらいます。この場合、いつまでに修補するのか、書面で記録しておくことが大切です。
引き渡し延期の判断 — 修補がすぐにできない、複数の大きな問題がある場合は、工事会社が対応するまで、その物件の引き渡しを保留にすることもあります。契約書に「引き渡し前にすべての不具合が修補されること」と明記されていれば、この対応が可能です。
竣工検査後の記録と引き渡し手続き
竣工検査が終わったら、その結果を記録に残します。
竣工検査報告書 — 検査日時、確認した項目、見つかった不具合と対応予定、引き渡し予定日などを記載した報告書を作成します。本部・現場担当者・工事会社の三者で共有することで、引き渡し後のトラブルを防ぎます。
写真記録 — 工事完了時の状態を、複数の角度から写真で記録します。壁・床・天井・建具・設備など、主要な箇所を全て記録しておくと、後々「工事当初はこうだった」と確認できます。
施工会社との引き渡し会議 — 不具合の修補完了後、最終確認のための引き渡し会議を実施します。工事会社から「工事完了」の報告を受け、本部側が最終確認し、両者の合意で引き渡し完了となります。
施工写真の活用との連携
竣工検査は、工事中に定期的に撮影された施工写真と比較することで、より詳しい検証ができます。
たとえば、床工事で「施工写真には下地が平坦に見えるのに、竣工時には段差がある」といった誤りが見つかれば、施工後に何か起きたのか、施工が不正確だったのか、判断する手掛かりになります。
複数の店舗工事を管理する場合は、竣工検査時の写真と、工事中の施工写真を全て記録・保管しておくことで、品質管理の歴史を残すことができます。
複数店舗の竣工検査のシステム化
FC本部が複数の店舗工事を並行管理する場合、各店舗の竣工検査を同じ基準で実施することが大切です。
統一されたチェックリストの使用 — すべての店舗で同じチェック項目を確認することで、品質基準が統一され、「この店舗は厳しくチェックするのに、この店舗は緩くチェックしている」という不公正が防げます。
検査日程の一元管理 — 複数の店舗が同時期に竣工検査を迎える場合、本部の担当者の日程を調整し、効率的に検査を進める必要があります。
検査結果の記録・共有 — 各店舗の竣工検査結果を、本部で一元管理します。不具合の傾向(特定の工事会社の問題が多い、など)が見えれば、その後の工事発注の判断に活かせます。
播磨商事がサポートできること
複数の店舗工事の竣工検査をサポートすることで、本部の業務負担を軽くすることができます。現地での検査実施、チェックリストの作成・管理、不具合内容の記録・追跡、工事会社への修補指示など、竣工検査に関わる全体的なサポートが可能です。
各店舗の竣工検査結果をデータベース化し、工事会社ごとの品質傾向を把握することで、今後の施工会社選定の判断材料にすることもできます。
まとめ
竣工検査は、工事が完了し、本部が支払いをする前の最後の確認プロセスです。この段階で不具合を見逃すと、引き渡し後に問題が次々と見つかり、工事会社との対応に時間がかかることになります。
共通項目・工事内容別の確認ポイントを把握し、チェックリストに基づいて体系的に検査することで、品質を確実に確保することができます。複数の店舗工事を管理する場合は、検査基準を統一し、検査結果を記録・分析することで、施工品質の向上につなげることができます。
竣工検査の実施・記録・是正工事の追跡まで、本部の負担を減らすサポートができます。お気軽にご相談ください。

