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B工事・C工事とは?店舗工事の区分を理解する
COLUMN

B工事・C工事とは?店舗工事の区分を理解する

HARIMA SHOUJI — CONSTRUCTION MANAGEMENT
店舗工事のコスト削減6分で読めます

商業施設やビルの店舗工事で登場するA工事・B工事・C工事の区分を整理し、費用と交渉のポイントを解説します。

B工事・C工事とは?店舗工事の区分を理解する

商業施設やビルに店舗を出店する際、管理会社から「A工事・B工事・C工事の区分に従って」という条件が示されることがあります。これは、建物の躯体・共用部・店舗内装の工事をどの当事者が負担するのかを定めた分類です。FC本部や多店舗展開企業の担当者であれば、この区分を理解しておくことで、工事費用の交渉や原状回復時のトラブル防止につながります。

A工事・B工事・C工事の基本的な定義

建物全体の工事は、施設規模や所有者の意向によって、大きく3つに分けられます。

A工事 は建物の躯体工事、つまり建築基準法で定めた構造部分(柱・梁・床・壁の躯体)や、共用部の改修を指します。通常、ビルオーナーや管理会社が負担する工事です。基本的に、テナント側が関わる工事ではありません。

B工事 は、躯体の内側にある共用設備の工事です。具体的には、電気引き込み・給排水管・ガス配管・空調ダクトなど、複数の店舗で使用する配管・配線類の幹線工事を指します。B工事の負担者は施設によって異なり、オーナーが全額負担する場合もあれば、テナント側が一部負担する場合もあります。

C工事 は店舗内装工事、つまり各テナントの専有部分の工事です。壁・床・天井・照明・内装設備から、テナント側で必要とする照明・空調の個別機器設置まで含まれます。通常、テナント(店舗側)が全額負担する工事です。

B工事の負担が議論になりやすい理由

A工事とC工事の区分は比較的明確ですが、B工事についてはテナント契約によって負担の取り決めが異なり、契約時に詳しく確認しないと後になってトラブルになることがあります。

たとえば、電気をテナント専有部に引き込む際、建物の幹線から店舗までの配線が、共用部を通るのか、テナント負担で新たに引き込むのか、その判断で工事費が大きく変わります。給排水についても同様です。既存の給排水管が近くにあれば利用できますが、遠い場合は新たに配管を敷設する必要があり、B工事かC工事かで費用負担が変わります。

空調についても、建物全体の空調システムの一部として扱われるなら、一部負担がB工事として発生するかもしれません。オーナー側で中央空調を完備していれば、テナント側は吹き出し口の設定程度で済む(C工事)かもしれません。

この曖昧さが、契約時に「◯◯工事はどちらが負担するのか」という交渉になりやすい理由です。

テナント側が確認しておくべきポイント

店舗工事の契約を結ぶ前に、管理会社やオーナーから「A工事・B工事・C工事の基準」を書面で確認することが重要です。

電気設備 — 専有部までの配線引き込みが、どこまでがB工事で、どこからがC工事か。またブレーカーの位置・容量が規定されているか。

給排水 — 蛇口の位置、排水の取り出し点がどこになるのか。既存管を使う場合と新規敷設する場合で費用が変わる点を確認。

ガス設備 — 飲食店の場合、ガス引き込み点の位置と、そこまでがB工事かC工事か。規制地域によってはガス管の敷設基準が厳しい場合もあります。

空調システム — 中央空調の一部利用か、独立型の設置か。利用する場合、吹き出し口の位置や容量に制限はないか。

消防設備 — スプリンクラー・警報器などが建物側(B工事)で完備されているのか、テナント側で設置が必要か。規制内容によって工事範囲が変わります。

照明・電源 — 天井・壁の照明を設置する際、配線を新たに引き込む必要があるのか、既存配線を活用できるのか。

契約書に「別紙 工事区分表」というものが添付されていれば、それを熟読します。なければ、管理会社に明確な表を提出するよう求めることが大切です。曖昧なまま着工すると、施工中に「これはB工事に該当する」と指摘され、追加費用を請求されるリスクが高まります。

複数店舗展開時のB工事・C工事の管理

FC本部が複数の店舗を出店・運営する場合、物件ごとにA・B・C工事の区分が異なる可能性があります。

たとえば、東京の繁華街にある商業ビルのテナント物件と、郊外のロードサイド物件では、共用設備の充実度が異なります。繁華街の商業ビルは、すでに電気・給排水・空調が完備されており、B工事がほとんどないかもしれません。一方、ロードサイド物件は、建物側の設備が最小限で、テナント側が大幅な設備工事(B工事相当)を負担することもあります。

複数の物件を同時進行する本部担当者であれば、各物件の工事区分を別々に確認し、見積りのときに「B工事が含まれるのか」を明示するよう施工会社に指示することが重要です。そうしないと、見積り内容が物件によってばらばらになり、コスト管理が難しくなります。

原状回復時のB工事・C工事の関係

退店時に起きるトラブルで見逃されやすいのが、原状回復時のB工事・C工事の区分です。

契約当初、ビル側がB工事で提供した配線・配管を、テナント側が工事のために改変した場合、退去時には「元の状態に戻す」必要があります。これが原状回復工事の対象になるのか、テナント側の負担か、B工事のやり直しか、契約書に明記されていないと、管理会社との交渉がこじれることがあります。

たとえば、電気を一時的に別ルートで引き込んでいた場合、原状回復時は「元のルートに戻す」のか「撤去するだけ」なのか。給排水管を改変していた場合、元の状態への復旧は誰の負担か。これらが契約時に決まっていないと、退去時に追加費用が発生することになります。

見積り比較のときのA・B・C工事確認

複数の施工会社から見積りを取得するときは、見積書に「B工事の範囲が含まれているか」を明示するよう求める必要があります。

A社の見積りにはB工事が含まれ、B社の見積りには含まれていない、という状況では、単純な金額比較ができません。施工会社に「工事範囲を統一してほしい」と依頼し、同じ条件での見積りを取り直すことが重要です。

また、見積書に「◯◯工事は別途」という記載がないか、隅々まで確認します。特に「ガス配管」「消防設備」「電気引き込み」といった項目が、別途扱いになっていないか注意が必要です。

播磨商事がサポートできること

FC本部や多店舗展開企業の場合、複数の物件でA・B・C工事の区分が異なるため、物件ごとの管理負担が大きくなります。私たちは、管理会社との交渉段階から、各物件の工事区分を確認し、施工会社の見積りが適切な範囲を対象にしているか、チェックするサポートができます。

特に、複数店舗の工事を並行管理するときは、物件ごとの工事区分をリスト化し、見積り依頼時に施工会社に明示することで、誤解や追加費用を防ぐことができます。

まとめ

A工事・B工事・C工事の区分は、契約書には記載されていても、具体的にどの項目がどちらに該当するのか、曖昧なままになることがあります。店舗を出店する前に、管理会社から明確な工事区分表を取得し、特に電気・給排水・ガス・空調・消防設備については、詳しく確認しておくことが、後のトラブル防止につながります。

複数の物件を展開する場合、各物件の区分を一元管理し、施工会社の見積りの際に「工事範囲の統一」を指示することで、見積り比較が正確になり、コスト削減にもつながります。物件ごとの工事区分表の確認から、見積り内容の検証まで、本部負担を減らすサポートができます

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